介護施設の現場において、車椅子の使用頻度は非常に高く、
日々の業務に欠かせない仕事内容かと思います。
しかし、忙しい業務の中で「ひやりはっと」が発生したり、
スタッフが腰を痛めてしまったりといった課題を抱えている施設も多いのではないでしょうか。

車椅子介助における事故や身体的負担の多くは、「間違った手順」や「自己流の介助」が原因のようです。

今回は、新人スタッフの教育からベテランさんまで、施設内で共有したい車椅子介助をご紹介します。

1. 施設内で徹底したい「車椅子事故を防ぐ3つの鉄則」

施設内での転倒・転落事故は、一瞬の不注意で起こります。
チーム全体で安全基準をルール化しましょう。

「ブレーキ確認」を徹底する
利用者が車椅子に座っている際、少し離れるだけでも必ず両輪のブレーキがかかっているか確認します。

フットサポートの「上げた・下げた」をチェック
移乗時は必ず上げて足を床に着けさせ、移動時は乗せて固定します。
降ろし忘れによる足の巻き込み事故は現場で非常に多いため、注意が必要です。

クッションの配置と「圧抜き」
長時間の着座による褥瘡(床ずれ)を防ぐため、シーティング(姿勢保持)が適切か、
ポジショニングクッションがずれていないかを定期的に確認します。

2. スタッフの離職を防ぐ!「ノーリフト」を意識した移乗テクニック

移乗介助による腰痛は、介護スタッフの離職理由の上位に常に挙げられます。
力任せの介助を廃止し、ボディメカニクスを意識した介助を定着させましょう。

現場で指導したい動作のポイント 利用者の残存機能を活かす
「立ち上がる」のではなく「深くおじぎをしてもらう」ことで、
重心が前に移動し、最小限の力でお尻が浮きます。
全介助と思わずに、できる動作を促すことがリハビリにも繋がります。

支持基底面を広く取り、重心移動で動かす
スタッフは足を前後左右に大きく開き、腕の力ではなく「自分の体重移動」で利用者を誘導します。

福祉用具(スライディングシート等)の積極的な活用
「手で持ち上げる」文化を無くし、スライディングボードやシート、
移乗ベルトなどの導入・活用手順をマニュアル化します。

3. 「移動」だけじゃない。QOLを高める声かけと配慮

施設での車椅子移動は、単なる「作業」になりがちです。
利用者の尊厳を守り、安心して過ごしてもらうための配慮もプロとして欠かせません。

行き先と目的を明確に伝える
「移動しますね」だけでなく、「〇〇さん、これからデイルームでお茶にしましょう」など、
目的を伝えることで利用者の不安や拒否感を減らします。

スピード感に配慮する
スタッフの歩行スピードは、車椅子に乗っている利用者にとっては「暴走」に感じられることがあります。
廊下の曲がり角やエレベーターの乗り降りは、必ず一旦停止・徐行を意識させましょう。

安全と安心は「全員の共通認識」から
車椅子介助の質は、施設全体の安全管理や利用者の満足度、
そしてスタッフの働きやすさ(腰痛予防)に直結します。

感覚だけに頼らず、「なぜこの手順で行うのか」を共有・統一することが、事故防止への一番の近道です。

私も母親の介護にて車椅子の介助をしておりましたが、
段差や坂道などで、「ヒヤッと」することが多々ありました。

このOJT介護動画を制作している中で、車椅子の介助を見ながら、この時はこうすれば良いのか!など勉強になりました。

素人にもわかりやすく説明をしている実技動画なので、
ぜひ本記事を、ご覧頂いた方は弊社の動画をご視聴いただき、
貴施設での勉強会や新人研修の振り返りとしてご活用いただけばと思います!