一部介助が必要な方をベッド上方へ移動

左麻痺のあるご利用者様への安全な介助手法

「動画でOJT介護」実技編では、現場で頻繁に行われる介助を、動作の意味まで丁寧に理解できる形で学ぶことができます。
今回のテーマは、一部介助が必要なご利用者様をベッドの上方向へ移動する介助です。

特に、左麻痺がある方の場合、いつの間にか体がベッドの下側へずれてしまい、足が伸ばせない状態になることがあります。
そのようなときに、元の安楽な位置へ戻すために行うのが本介助です。


この介助の特徴は「一緒に動くこと」

全介助とは異なり、この介助では
ご利用者様自身の力を活かすことが非常に重要です。

職員が一方的に動かすのではなく、
ご利用者様とタイミングを合わせて動くことで、安全かつ効率的に移動することができます。


介助前の準備

まずは体位変換に必要な準備を行います。

  • 枕やクッションの準備
  • 体調確認
  • 介助内容の説明と同意

介助の前には必ず声をかけます。

「Bさん、担当のCです」
「体調はいかがですか」
「これから体の位置を動かしますね」
「よろしいですか」
「痛いところや辛いことがあったら、すぐに言ってくださいね」

また、掛け物やクッションは一度外し、介助しやすい状態に整えます。

「お布団を外してもよろしいでしょうか」
「ベッドの高さを調整しますね」


身体を動かしやすい形に整える

介助をしやすくするためには、身体の形づくりが重要です。

  • 腕を胸の前で組む
  • 膝を曲げる

こうすることで身体が球体に近づき、ベッドとの接地面が小さくなります。
結果として、力が一点に集中し、少ない力で移動しやすくなります。

また、介助は必ず下から支えるように行います。
上から腕をつかむと、「引っ張られる」という不安や恐怖を与えてしまうため注意が必要です。


介助のポイントは「健側の活用」

左麻痺がある場合は、健側(動かせる側)を最大限に活用することが重要です。

  • 健側の手で患側の手を支える
  • 健側の膝を立てる
  • 健側の足で踏み込む

この「踏み込み」が、移動の大きな力になります。


実際の介助手順

① 健側に立つ
職員はご利用者様の健側に立ちます。

② 枕の位置を調整
後頭部を支えながら枕を上へ移動します。
「枕を動かしますね」

③ 健側の膝を立てる
「膝を立てていただけますか」
「こちらの足で踏み込んでくださいね」

④ 肩に腕を差し入れる
手前の肩の上から腕を差し入れ、奥側の肩を支えます。
「肩に腕を入れますね」

⑤ タイミングを合わせて移動
ご利用者様が踏み込むのと同時に、上半身をベッド上方へ移動します。

「上に動きましょう、1・2・3」


少ない力で動かすコツ

この介助の最大のポイントは、
身体を密着させることです。

密着することで

  • 重心が近づく
  • 力が分散しない
  • 移動方向が安定する

ため、少ない力でも安全に移動できます。


介助後の調整と観察

移動が終わったら、必ず姿勢を整えます。

「枕の位置を直しますね」
「ズボンのしわを伸ばしますね」

衣服のしわや縫い目は皮膚を圧迫し、褥瘡の原因になるため、丁寧に整えることが重要です。

その後、状態を確認します。

「姿勢は苦しくないですか」
「寝心地はいかがですか」


褥瘡予防は最重要ポイント

体位変換の中で最も重要なのが、褥瘡予防です。

衣服のしわや圧迫が続くと、

  • 皮膚の炎症
  • 潰瘍
  • 感染

といった問題につながる可能性があります。

そのため、体位変換は単なる移動ではなく、
健康を守るケアとして行う必要があります。


最後の仕上げ

ベッドの高さを元に戻し、最終確認を行います。

「ベッドの高さを調整しますね」
「体調はいかがですか」
「ありがとうございました」

また、顔色や様子を観察し、記録を残します。


安楽な仰臥位を整える

最後に、安楽な姿勢を作ります。

  • 両腕の下に枕やクッション
  • 両膝の下にクッション
  • 足底にクッション

これにより、身体への負担を軽減できます。


まとめ

一部介助が必要な方のベッド上移動では、

  • ご利用者様の力を活かす
  • タイミングを合わせる
  • 健側を活用する
  • 密着して重心を近づける

ことが重要です。

「動画でOJT介護」では、こうしたポイントを
視覚・動作・意味の3つで理解できる構成になっています。

新人職員や外国人介護職員の教育にも最適な内容です。

介護教育を変える「動画でOJT介護」

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