介護の知識を学んでいたから、対応できた。

介護未経験だった私だからこそ感じた、[動画でOJT介護]の制作時のエピソードをご紹介します。

制作当初の私は、介護の「なぜ?」が分からなかった

当サービス[動画でOJT介護]の制作が始まった当初、私は介護の知識がほとんどありませんでした。

もちろん、大きなプロジェクトが始まったという実感はありましたが、当時は世の中にある書籍や、監修・指導をしてくださる法人様の知識に頼っている部分も多くありました。

しかしながら、撮影に際したシナリオを作成・確認する中で、それらに頼り切れなくなっていきます。

「なぜここで、膝をベッドフレームにつけるのだろう?」

「体位変換で、どうして足を組ませるのだろう?」

「食事の始めに、飲み物を飲ませる理由は何だろう?」

今振り返れば、介護の現場では基本的なことなのかもしれません。

しかし、現場を知らない私にとっては疑問が次から次へと溢れるばかり。

書籍を読んでいても、この時どこに手を置けば良いのか、何故膝を当てながらしなければいけないのか、なかなかイメージができなかったのです。

何もかもが分からず放り投げたい気持ちに駆られたこともありますが、しかし、そこでふと思ったのです。

「分からないからこそ、新人と同じ目線で考えられるのでは?」

私が疑問に思うことは、新人だって疑問に思うはず。

だったら、私が感じた「なぜ?」をできるだけ拾って、教材に盛り込んでしまおう、と。

“新人”の私が考える、「基準になるマニュアル」のありがたさ

介護の現場は、多忙です。

24時間稼働する施設では、ご利用者様の体調や状態も日々変化します。状況に応じて臨機応変な対応が求められることも多く、新人教育に十分な時間を確保することが難しい場面もあるかと存じます。

その中で先輩職員から教わる新人(私)は学びの日々ですが、毎日同じ先輩から教えてもらえる……とは限りません。

シフトによって教育を担当する先輩が変わり、そのたびに新しいことを学んだり、以前教わったことを復習したりします。

その際、これは介護に限った話ではありませんが、

「教わった通りにやったのに、『そのやり方は違う』と言われた」

という経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。

例えば、私は自動車の教習所で、教官に教わった方法でハンドルを操作したら、後日別お教官から「その方法はおかしい」とこっぴどく叱られたものです……。(理不尽すぎる)

その時新人は思うわけです。「どっちが正しいんだ?」と。

先輩や教官によって多少やり方が違うこと自体は、まあ、良いとして、どちらが正しいのかが気になるのです。

ハンドルさばきなど教本に書かれていないので、確かめようはありませんでした。

何が正しいか分からないまま、とりあえずその時叱られないように注力したり、後日、他の教官に教わる時にビクビクしてしまったものです。

だからこそ、「マニュアルに〇〇と書かれていましたが、それとは違うのですか?」と言えたらどんなに心強いことでしょうか。

他の先輩に「マニュアルは〇〇でしたが、A先輩には〇〇と言われました。どちらが正しいのでしょうか?」と確認することもできますし、「それは違う!」と言われても、それは共通の基準であるマニュアルが否定されただけであって、自分が否定されている気分にはなりにくくなるはずです。

新人にとって、明確に「何を基準に学べばいいのか」が分かることは、とても大切なのです。

“先輩” の私が考える、「基準になるマニュアル」のありがたさ

(介護職ではありませんが)では先輩として仕事をしている自分はどうでしょうか。

現在の私は、新人や後輩の仕事を見ていて、「なんで教えたことと違うことをやっているのか?」と思うことがあります。(ごめんね……)

そういう時はたいてい、別の先輩からそのように教わっていて、その子自身は悪くないというケースも少なくありません。

(もちろん、単純に話を聞いていなかった、覚えていなかった……ということもありますが(笑))

だからこそ、先輩側にとっても「基準となるマニュアル」があることは、とても大きな意味を持ちます。

新人から「マニュアルに書かれていました」と言われたら、「ちゃんとマニュアルで確認したんだね」と評価することができると同時に、「なるほど、他の先輩は+αで教えてくれたんだね」や「こっちの方法でやる先輩もいるよ」と、基本となる方法に加えて、現場での応用・工夫を添えて説明することもできます。

さらに、業務評価もし易くなります。

面談の時に、あれができていない、これができていないと本人に直接伝えるのは、指導する側にとっても心苦しく、なかなか難しいものです。

その時に「マニュアルにはこう書かれているけど、実践の時にここが抜けていたよ」と伝えることができれば、指摘する側にとっても、される側にとっても、話がしやすくなります。

「教える人」と「教わる人」の共通言語に

[動画でOJT介護]の制作を通して、私が強く感じたのは、「基準となるもの」があることの大切さでした。

そして、そうなって欲しいと願いを込めて作成をしたのが、[動画でOJT介護]です。

[動画でOJT介護]は、動画で学ぶことができるのはもちろんのこと、先輩から教えてもらったことが自由に書き込めるよう、動画内容をテキスト化し、印刷可能なPDFを用意しています。

また、自己評価/他者評価ができるよう、チェックシートもあります。

学校の通知表のように、できたかできていないかチェックをして、点数で見える化できます。

教える側も、教わる側も、ストレスなく使えるように。そして、

「教える人によって言っていることが違う」

「新人教育に時間をかけるのが難しい」

「新人が自分で繰り返し確認できる教材がほしい」

そんな課題を感じている介護事業者の方にとって、[動画でOJT介護]が、教育の「共通の基準」をつくる一つの方法になれば幸いです。