外国人介護人材の教育をどう支えるか
【専門学校 アリス学園様】
介護福祉士養成専門学校・アリス学園における「動画でOJT介護」導入の背景と可能性
■「学生がどう学ぶか」を軸に教育を見直す中で、『動画でOJT介護』はどのように使われ、何が見えてきたのか。
留学生教育と介護福祉士養成の現場で、
「教員が教える」から「学生が主体的に学ぶ」へ。
その教育観の転換を進める中で、アリス学園様が出会ったのが『動画でOJT介護』でした。
今回は、導入の背景、活用の手応え、そして今後の可能性について、率直に語っていただきました。
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2026年3月9日
インタビュー実施者とインタビューご協力者
インタビュー実施者
エヌ・エイ・アイ株式会社


インタビューご協力者様
学校法人アリス国際学園 専門学校アリス学園


「卒業」ではなく、「卒業後に活躍し続けられる人材」を育てたい

NAI
御校は、長い歴史と輝かしい実績をお持ちの、非常に優れた専門学校であると認識しております。

NAI
数年前に初めてZoomでお話しさせていただいた際、介護人材の教育については大きな自信をお持ちであるとおっしゃっていたことが印象に残っております。

NAI
そこでまずは、御校ではどのような人材の育成を目指して教育を行っていらっしゃるのか、その理念や方針について、差し支えない範囲で簡単にお聞かせいただけますでしょうか。

アリス学園
私たちは専門学校ですので、どうしても“技術”や“資格”といった点に注目が集まりがちです。しかし、私たちの教育のゴールは、単に『卒業すること』ではありません。目指しているのは、『卒業後も社会の中で活躍し続けられる人材を育てること』です。

アリス学園
そのため、日本語学校の段階も含め、3年、4年という時間をかけて一貫した教育を行っています。その中で大切にしているのは、卒業後に自立して生活していく力や、自ら学び続ける力を身につけてもらうことです。

アリス学園
将来、企業や介護施設で働く中では、周囲と協働する力や、壁にぶつかったときに自ら周囲に問いかけ、解決していく力が求められます。そうした力を育てることをキーワードに、教員たちは日々の教育活動に取り組んでいます。
教育の壁は、学生ではなく“教員の教育観”にもあった

NAI
ありがとうございます。続いて質問させてください。今お話しいただいたような教育を実現されていく中で、これまでにどのような壁や課題に直面されたのでしょうか。もし差し支えなければ、そのあたりについてお聞かせいただけますか。

アリス学園
先ほどの動画でご紹介した『OJT介護』の導入とも関係してくるのですが、私たちが直面してきた大きな課題の一つは、教員自身の教育観の転換でした。私の立場としては、そこを変えていくことが重要なテーマだったと感じています。

アリス学園
どうしても教員というのは、『自分がどう教えるか』という点に意識が向きがちです。極端な例を挙げれば、『講義をいかに分かりやすく行うか』とか、『どのようなスライドを作るか』といった部分に力を注ぐ先生も少なくありませんでした。

アリス学園
しかし、私たちアリス学園がこれから大切にしていきたいのは、『学生がどう学ぶか』、そして『どのように自立して学んでいくか』という視点です。そのためには、教員の役割も変わっていく必要があります。つまり、教えることを中心に据えるのではなく、学生が主体的に学ぶ姿勢をどのように支え、サポートしていくかという役割へとシフトしていくことです。

アリス学園
そうした意味で、教員自身の意識や考え方を切り替えていくことが、一つの大きな課題でした。そして、その実現のためにはICTの活用が欠かせないと考えています。そうした流れの中で『OJT介護』の動画教材に出会い、『これは私たちの教育方針に非常に合っているのではないか』と感じ、導入を決めました。
なぜ『動画でOJT介護』だったのか―導入の背景

NAI
導入の経緯についてもお聞かせください。研修教材には動画形式のものもあれば、そうでないものも含めてさまざまな選択肢があると思います。御校でも複数の教材を活用されているかと思いますが、その中で私たちの『動画でOJT介護』を教材の一つとして選んでいただいた理由や背景について、ぜひお聞かせいただければと思います。

アリス学園
導入の背景には、先ほども申し上げたように、“教員が教え、それを学生が学ぶ”という従来型の学びには限界があるのではないか、という問題意識がありました。特に現在は留学生が多く在籍しており、言語の壁もある中で、学ぶスピードや理解のペースは学生一人ひとりで大きく異なります。

アリス学園
理解の早い学生はどんどん先へ進めばよいですし、時間が必要な学生は、何度も復習したり確認したりする機会が必要です。そう考えると、オンデマンドで学べる教材は非常に重要な鍵になると、以前から感じていました。

アリス学園
これまで当学園では、介護福祉学科に入る前の段階で『介護の言葉』などを中心とした予備教育は行ってきました。ただ、“介護そのもの”を動画などで事前に学ぶ仕組みはなく、基本的には学科に入ってから教員の講義で学ぶという形でした。しかし現在は、学生全員がパソコンやタブレットを持つ環境が整っています。その中で、学生が自分のペースで主体的に学び、さらに学校の中で共同学習につなげていくような学び方を実現したいと考えていました。

アリス学園
ただ、介護の専門的な動画教材を自分たちで制作するのは現実的に難しい部分もあります。そうした中で御社の『動画でOJT介護』と出会い、『これであれば自分たちで一から作らなくても活用できる』と感じ、導入を決めました。
“良い教材”を、どう活かし切るか―初年度の試行錯誤

NAI
ありがとうございます。少し重なる部分もあるかもしれませんが、もう一点お伺いさせてください。実際に『動画でOJT介護』を導入される前、そして導入後を通して、どのような点に価値や効果を感じていらっしゃいますか。

NAI
私たちの教材では、実技編において介助のポイントを赤いポップアップで、注意点を黄色のポップアップで示すなど、視覚的に理解しやすい工夫を取り入れています。また、字幕にはルビを付け、各動画の後には理解度テストを設けるなど、学びを定着させるための仕組みも用意しています。

NAI
加えて、実技動画の中では声がけを多く取り入れたり、アニメーションによる座学編ではストーリー性を持たせたりすることで、イメージとして理解しやすい構成にもしています。

NAI
そうしたさまざまな工夫の中で、特に学生の皆さんや先生方にとって『これは良い』と感じていただけている点、あるいは印象に残っている点があれば、ぜひお聞かせいただければと思います。

アリス学園
実は私は、日々学生と直接向き合っている立場ではないため、一人ひとりの細かな使用感や反応までは把握しきれていない部分もあります。その点については、現場の教員にも改めて聞いてみたいと思っているところです。

アリス学園
ただ率直に申し上げると、学生にどれだけ“刺さっているか”という点については、まだ学校として十分に活かしきれていないのではないか、という課題意識もあります。私自身は『非常に良い教材だ』『学習効果を高められる可能性が高い』と感じて導入してきましたが、学校として最も効果的な活用方法をまだ模索している段階です。

アリス学園
具体的には、導入初年度は、介護福祉学科に入学した学生の補助教材として活用しようと考えました。しかし実際には、もともと授業で時間がいっぱいの学生が、並行して動画教材を視聴することはなかなか難しく、時間的な制約もあって十分に活用できなかったという現実がありました。

アリス学園
私としては、授業の中で教員が『動画でOJT介護』を取り入れてくれることも期待していましたが、そこまでには至りませんでした。もちろん、その背景には教員側の教材や授業スタイルを見直す必要があるという課題もあります。ただ実際には、授業で時間がいっぱいの学生にとって、授業と並行して『動画でOJT介護』を自主学習として活用するのは、時間的に無理があったというのが現実でした。本来であれば、非常に完成度の高いこの教材をもっと有効に活用したいという思いがあったのですが、初年度はそこまで十分に活かしきれなかったという反省があります。
2年目の転換点―入学前の“予備教育”として活用

アリス学園
そこで2年目となる今年は、活用の方法を少し変えました。介護福祉学科に入学する前、つまり入試に合格した時点から、事前教育の教材として学生に学んでもらう形にしたのです。

アリス学園
その結果がどこまで影響しているかは一概には言えませんが、以前は1年生の段階で追試が多いことが一つの課題になっていました。それが今年は、動画教材を事前学習に取り入れたことに加え、『予習』を重視する取り組みを進めたことで、追試の割合が大きく減りました。教員からも『学生の理解度が高い』という声が上がっています。

アリス学園
とはいえ、まだ課題は残っています。事前教育の段階でも、やる学生はしっかり取り組みますが、そうでない学生もいます。この非常に優れた教材を、どうすればより多くの学生にしっかり届かせることができるのか。そこは今も学校として考え続けているテーマです。
外国人留学生に、日本語だけで学ばせる理由

NAI
ありがとうございます。もう一点、お伺いさせてください。これまでのお話の中で、御校には外国人留学生が多く在籍されていると伺っています。御校では日本語教材をご活用いただいており、外国人の学生の皆さんも含めて、漢字にルビが付いた字幕版で学習されていると理解しています。

NAI
アリス学園様は日本語学校との一貫教育体制が整っており、多くの学生がN3以上の日本語力をお持ちだと伺っていますが、その中で、漢字のルビ付き字幕が外国人学生の理解を深めるうえでどのように役立っているのか、非常に興味があります。

NAI
実際の学習の現場では、その点についてどのように感じていらっしゃいますか。

アリス学園
留学生コースについては、まず学生が日本語をしっかり学んでいるという前提があります。そして最終ゴールとして介護福祉士の国家試験を受験し合格する必要がありますので、日本語で専門知識を理解できる力を身につけることが非常に重要になります。

アリス学園
また、本校では外国人学生であっても、日本人学生と同等の基準で教育するという方針を大切にしています。つまり、日本人よりも低い基準で扱うという考え方ではなく、同じレベルを目指して学んでもらうというスタンスです。最終的なゴールとしては、日本人学生と同じように、ルビのない問題でもしっかり読み解ける力を身につけてもらいたいと考えています。

アリス学園
その観点から逆算すると、予備教育の段階ではルビや母国語対応があっても良いのかもしれません。ただ現時点では、学生から『日本語が難しくて理解できない』という声が特に上がっているわけでもありません。また、本校では『分からないことがあれば自分で調べる』という姿勢を大切にしています。スマートフォンなどを使って自分で調べることも含めて、主体的に学ぶ力を身につけてほしいと考えています。

アリス学園
御社の教材には、動画内容をまとめたテキストも用意されていますので、必要であれば翻訳ツールを使って理解することもできます。そうした環境がある中で、あまりに多くの補助を与えてしまうと、かえって学生自身が身につけるべき力を伸ばす機会を奪ってしまう可能性もあると考えています。そのため、現時点では日本語のみの教材で学習してもらっています。ただ一方で、日本語学習の基礎がまだ十分でない方や、すでに現場で働いている就労者の方々にとっては、ルビや母国語字幕は非常に有効に機能するのではないかとも感じています。

NAI
ちなみに、現在御校に在籍している外国人学生についてですが、どの国の出身の方が多いのでしょうか。

アリス学園
現在はミャンマー出身の学生が最も多く、続いてインドネシア、ネパールといった国の学生が在籍しています。
国家試験対策として見たとき、この教材はどこまで役立つのか

NAI
少し視点を変えてお聞きします。『動画でOJT介護』は、私たちとしても決して完璧な教材だとは思っていません。特に介護福祉士の国家試験対策という点では、すべてを網羅しているわけではないとも感じています。ただ、それでも一定の範囲はカバーできているのではないかと思っています。実際の教育現場から見て、この教材は国家試験対策、特に外国人学生にとって役立つものになっていると感じられますか。

アリス学園
本日は同席していないのですが、事前に介護福祉学科の主任にもこの点について意見を聞いてみました。現場の教員の声としては、『導入部分の学習教材としては非常に分かりやすく、優れた教材だ』という評価があります。ただ一方で、介護福祉士の国家試験対策という観点で見ると、やや基礎的な内容が中心になっているという印象もあるようです。

アリス学園
御社の教材は、もともと外国人向けの初任者研修動画の制作を前提として構築されたと伺っていますので、その点はある意味で当然なのかもしれません。初任者研修を修了すれば実務者研修の一部科目が免除されるという制度もありますが、それだけで介護福祉士国家試験のすべての問題に対応できるかというと、そこまでは難しいのではないか、というのが現場としての率直な認識です。

NAI
実は私自身、この動画シリーズの制作にはほぼ全面的に関わっており、監修も担当しています。そのため、内容については概ね把握しているのですが、介護福祉士国家試験の過去10年分ほどの問題と照らし合わせてみると、介護過程Ⅲのようなケーススタディ的な分野や一部の例外を除けば、基礎的な部分についてはおおむねカバーできているのではないかと感じています。

NAI
もちろん、国家試験対策として考えると、その先は問題集や過去問題を繰り返し解きながら知識を肉付けしていく必要があると思います。ただ、初任者研修レベルを大きく超え、介護福祉士国家試験の基礎を理解するという点では、一定水準以上の役割を果たせる教材になっているのではないかとも考えています。

NAI
特に外国人の方にとっては、国家試験レベルの知識まで到達すること自体が大きなハードルになる場合も多いと思います。そうした“基礎から国家試験レベルへつながる部分”を埋める教材として、一定の役割を果たせているのではないかと感じているのですが、その点についてはどのようにお考えでしょうか。
学び始めのハードルを下げてくれる、外国籍の方の救世主的教材

アリス学園
私自身の認識も、基本的には同じです。当初は、介護福祉学科での副教材として活用する形で導入しました。理想を言えば、現在現場で使われているような、かなり分厚く専門的なテキストを学生が苦労しながら読み解いていく学習がありますよね。そうした学習を、より理解しやすい形で支えてくれる教材があれば、養成校としても非常に理想的だと感じています。

アリス学園
ただ実際には、そうした専門書を完全に置き換える教材というよりは、学習の入り口を支える補助教材として位置づけるのが現実的なのではないかと思っています。

アリス学園
その意味では、『動画でOJT介護』は、特に基礎理解の部分や学習の導入段階において非常に有効だと感じています。さらに多言語対応がされている点も含めて、特に外国人学生にとっては学び始めのハードルを下げてくれる、非常に良い教材だと思っています。
『動画でOJT介護』を活用したことによる学生に見えた変化は

NAI
ありがとうございます。道上さんご自身は、日々の授業の現場を直接見ていらっしゃる立場ではないと先ほどお話しされていましたので、もしかすると把握されている範囲には限りがあるかもしれませんが、『動画でOJT介護』を活用したことで、学生に何か変化を感じられたことはありますか。

NAI
例えば、理解度が高まった、学習意欲が向上したといったポジティブな変化でも構いませんし、逆に負担感を感じている様子があったなど、現場から聞こえてくる声があればぜひ教えていただければと思います。

アリス学園
正直なところ、学生の変化をすべてこの教材の影響だけで評価するのは難しい部分があります。ただ、先ほどもお話ししたように、入学前の予備教育として活用した学生たちについては、1年次の学習成績が全体的に向上したという結果が出ています。その意味では、基礎理解を高めるうえで一定の効果があったのではないかと感じています。

アリス学園
もっとも、その成果が『動画でOJT介護』だけによるものかというと、そうとも言い切れません。入学後には別の形で予習の取り組みも強化しましたので、複数の取り組みが相乗的に作用した結果だと思っています。実際、その年は期末試験の追試者数が大きく減るという変化もありました。
学校現場から見えた改善ポイント―“一覧で進捗が見える管理画面”への期待

アリス学園
もう一点、現場からの声として挙がっているのは、管理面での運用についてです。現在も管理画面はありますが、例えば30人、40人といった学生を担当している場合に、どの学生が積極的に学習しているのか、あるいは最近あまり取り組めていない学生が誰なのかを、一覧で把握できるようになると、より使いやすいのではないか、という意見が出ています。

アリス学園
個別に確認することは可能ですが、教員側が全体の学習状況をひと目で把握できるようになると、よりきめ細かなフォローにつながるのではないかと感じています。その点が改善されれば、教材の活用もさらに進むのではないかと思っています。
導入準備等の受け入れ側の作業負担について

NAI
ご導入いただいてから2年ほど経ちますが、当初の導入準備やその後の運用にあたって、教員の方々や事務の皆さまに特別な負担が生じるようなことはありましたか。

アリス学園
導入そのものについては、御社の山田さんをはじめ、非常に丁寧にサポートしていただきました。アカウントの発行などの初期設定についても、他のサービスと比べて特に問題はなく、比較的スムーズに進めることができたと感じています。

アリス学園
一方で、導入当初は、この教材がどのように活用されているのか、また実際にどのような効果が期待できるのかといった情報を、こちらでも検討したり調べたりする必要がありましたので、その点では多少時間をかけて検討した部分はありました。

アリス学園
ただ、実際に学生に使ってもらうという運用面に関しては、特別に大きな負担が生じたということはなく、比較的スムーズに活用できているのではないかと感じています。
もしこの『動画でOJT介護』がなかったら

NAI
ここでいったん、この後の進行を山田にバトンタッチしたいと思います。その前に一つだけお伺いさせてください。現在『動画でOJT介護』を導入いただいていますが、もしこの教材がなかったとした場合、御校の教育の中でどのような影響があると感じられますか。教育現場の中で、どのような位置づけの教材になっているのかをぜひお聞かせいただければと思います。

アリス学園
もちろん、必要性を感じているからこそ導入していますし、今後もぜひより良い形に進化していってほしい教材だと思っています。私たちとしても、引き続き活用していきたいと考えています。

アリス学園
実際の学生の利用状況を見ると、取り組み方には多少ばらつきがあります。主体的にしっかり取り組んでいる学生が一定数いる一方で、教員の声がけをきっかけに取り組む学生、そしてなかなか学習に踏み出せない学生もいます。これは動画教材に限らず、学習全般に共通する傾向だと思います。

アリス学園
ただ、特に主体的に学習に取り組んでいる学生にとっては、この教材は非常に役立つものになっていると感じていますし、基礎理解を深めるうえで大きな助けになっていると思います。

アリス学園
一方で、私たち教育機関としては、学習が苦手な学生や、自分から勉強を進めることが得意ではない学生をどう支援していくかが常に課題です。その意味で、この教材をどのように活用すれば、そうした学生にもより主体的な学びにつなげられるのか、そこは学校としても引き続き工夫していきたいと考えています。

NAI
ありがとうございます。ここからは、山田のほうからいくつか補足の質問をさせていただければと思います。
アリス学園ならではの”学習の進め方”

NAI
いつもありがとうございます。代表の伊藤からはかなり深い質問が続きましたので、私からは少しざっくばらんな形でお伺いできればと思います。

NAI
まず一つ目ですが、学生の皆さんには『動画を見ること』を中心に学習してもらっているのでしょうか。それとも、理解度テストを受けたり、アンチョコテキストを参考にしたりといった形で、ある程度学習の進め方を指定されているのでしょうか。あるいは、そのあたりは学生の自主性に任せている形なのでしょうか。

アリス学園
入学前の段階では、学生はまだ日本語学校に在籍しているため、学習の進め方についてはある程度柔軟に対応しています。介護福祉学科の教員からは、『可能であれば座学部分は事前に一通り学んでおいてほしい』という形で学生に案内しているようです。

アリス学園
ただ、日本語学校側のカリキュラムとの兼ね合いもありますので、必ずすべてを終わらせなければならないという形にはしておらず、基本的には“できるところまで取り組んでほしい”というスタンスで進めています。 そのため、強制的に課すというよりも、入学前の段階で介護の基礎に触れ、理解を深めておくための学習機会として活用しているという位置づけですね。

NAI
つまり、日本語学校にいる段階で学生がどの程度予習に取り組んでいるのかを、介護福祉学科の先生方がある程度把握されたうえで、入学後の学習につながっていくような形なのでしょうか。

アリス学園
その点については、先日、実際にどの程度確認できているのかを教員に確認してみました。学生ごとの視聴履歴や理解度テストの受講状況、得点などは、個別の画面からきちんと確認できる仕組みになっているようです。

アリス学園
ただ、学生数が多い場合には、誰がどの程度学習を進めているのかを一覧で把握できる画面があると、より管理しやすいという声も現場から上がっていました。現在でも個別には確認できるのですが、例えば学生名が一覧で並び、進捗状況がグラフのように一目で分かる形になると、教員としてもよりフォローしやすくなるのではないかと感じています。

アリス学園
もしそうした機能が追加されれば、『この学生はしっかり取り組んでいますね』といった状況をすぐに把握できるようになり、学習管理の面でもさらに活用しやすくなると思います。

NAI
貴重なご意見をありがとうございます。学習状況をより分かりやすく把握できる仕組みについては、現場の皆さまにとっても重要なポイントだと思いますので、社内でも共有させていただきたいと思います。具体的にどのような形で実現できるかについては、システム開発側とも相談しながら、今後の改善の参考にさせていただければと思います。

アリス学園
現在のシステムでも、理解度テストの正答率を確認できたり、学生一人ひとりのコースごとの利用状況を把握できたりと、学習状況を細かく確認できる機能はとても充実していると感じています。

アリス学園
ただ、現場の教員からは、個別の詳細データを確認するというよりも、まずはクラス全体の進捗状況を一目で把握できるような画面があると、より活用しやすいのではないかという声も上がっています。例えば、全コースの中でどの程度学習が進んでいるのか、学生ごとの進捗が一覧で可視化されるような仕組みがあると、教員側としても状況を把握しやすくなるのではないかという意見です。 もともとの機能自体は非常にしっかりしているので、そうした全体の進捗が一目で分かるような表示が加われば、さらに現場で活用しやすくなるのではないかと感じています。
スマホ?それともパソコン?

NAI
ありがとうございます。ちなみに、学生の皆さんは『動画でOJT介護』を利用する際、スマートフォンやパソコンなど、どの端末で視聴するかは自由な形になっているのでしょうか。

アリス学園
本校では、学内進学する学生には基本的にChromebookを持たせていますので、『動画でOJT介護』もスマートフォンよりパソコンで視聴している学生が多いと思います。
学生の反応はどうだったか―満足度85%、継続希望46/47人

NAI
こちらは現場の先生方や学生の皆さんの声になるかと思いますので、もしご存じの範囲で構いませんが、『動画でOJT介護』について、内容が難しいといった声や、学習する中で感じていることなどはありますでしょうか。

アリス学園
学生の声については、ちょうど以前にアンケートを実施していましたので、その結果を少しご紹介します。今回は主に外国人学生を対象にした調査で、48名中47名が『動画でOJT介護を利用したことがある』と回答しています。これは予備教育の段階で活用しているため、ほぼ全員が利用している状況です。

アリス学園
満足度については、47名中35名が『満足』、5名が『非常に満足』と回答しており、利用者の約85%が満足しているという結果でした。『どちらでもない』という回答が7名ほどありましたが、不満という回答はありませんでした。

アリス学園
また、『内容を理解できたと思いますか』という質問に対しては、『ある程度理解できた』が約60%、『十分理解できた』が約26%で、合わせると約85%の学生が一定の理解につながったと感じていることが分かります。

アリス学園
さらに、『どの分野の理解が深まったか』という質問では、認知症やコミュニケーション、障害の理解といった分野で、理解が深まったと感じている学生が多いという結果が出ています。

アリス学園
学習時間について見ると、『動画でOJT介護』の学習時間は、週30分未満が約48%、30分~1時間が約40%と、比較的短い時間でも活用されていることが分かります。一方で、動画以外の学習時間も合わせて確保している学生が多く、日常の学習の一部として取り入れている様子がうかがえます。

アリス学園
また、学習のタイミングについては、『自宅での学習』が約50%と最も多く、補講や復習、テスト前の確認として活用している学生も一定数いるようです。

アリス学園
さらに『今後も継続して利用したいか』という質問には、47名中46名が『はい』と回答しており、『次年度の1年生にも勧めたいか』という質問でも同じく46名が『はい』と答えています。

アリス学園
自由記述でも、『とても良い勉強になった』『動画が面白くて理解しやすい』『見てみたら内容がしっかり理解できた』『勉強を続けたい気持ちになった』など、前向きなコメントが多く見られました。

アリス学園
中には、日本人学生が留学生のアカウントを借りて視聴していたというケースもあり、『自分たちにも使わせてほしい』という声もあったようです。それだけ興味を持っている学生がいるという点は、印象的でした。
入学前の予備教育としての利用で高成果

NAI
ここまでのお話を、私のほうで少し整理させてください。現在の活用方法としては、まず1年生になる学生が入学前の段階で学習する、いわゆる予備教育として活用されているという理解でよろしいでしょうか。これまでアカウント追加のご依頼も、だいたい3月頃からいただいていますので、入学が決まった学生に向けて事前に視聴してもらっている、というイメージでしょうか。

アリス学園
はい、その通りです。

NAI
そして入学後も、予習や復習といった形で継続的に活用されている、という理解でよろしいでしょうか。

アリス学園
入学後については、全員に一律でアカウントを付与しているわけではなく、希望する学生を中心にアカウントを付与しています。また、教員にもこうした動画教材があることは共有しており、授業の中でも必要に応じて活用してもらうよう案内しています。ただ、現時点ではこの教材だけで授業を進めているわけではなく、授業の中で一部活用されているというのが実情ですね。

NAI
ということは、先生によって活用方法はさまざまだということですね。例えば、授業の中でスクリーンに投影して動画を活用されている先生もいらっしゃるでしょうし、アンチョコテキストを教材としてうまく取り入れている先生もいらっしゃる、という理解でよろしいでしょうか。

アリス学園
はい、その通りです。ただ、現時点では『こういう使い方をしています』という具体的な事例が先生方から詳しく共有されているわけではないので、私自身も細かな活用方法までは把握できていません。とはいえ、せっかくこうした良い動画教材がありますので、ぜひ活用してほしいという形で、教員には紹介・推奨している段階です。
初任者研修の補助教材として、間違いなく威力発揮

NAI
なるほど、ありがとうございます。実は、他のスクールの方々からも『実際の授業の中でどのように動画でOJT介護を活用しているのか』という点に関心を持たれているケースが多いんです。もし機会がありましたら、御校の先生方の具体的な活用方法についても、ぜひお話を伺えたらありがたいです。

アリス学園
ちなみに、それはどちらの先生方を想定されていますか。介護福祉士養成校の教員の場合と、初任者研修を中心に授業を行っている研修センターの講師の場合では、活用の仕方も少し変わってくると思いますので。

NAI
介護福祉学科と研修センターでは、『動画でOJT介護』の活用方法は大きく異なるのでしょうか。

アリス学園
そうですね。介護福祉学科のほうでは、先ほどお話ししたように、授業の一環として補助的に活用する形が中心になっています。一方、研修センターでは、主に初任者研修を実施する際の補助教材として活用している、という使い方になります。

アリス学園
介護福祉士養成校、つまり介護福祉学科の教員については、どのように授業の中でこの教材を見せたり、活用する機会を作ったりするかという点で、現在もさまざまな試行錯誤をしている段階です。養成校ではもともとメインテキストの内容が非常に充実していますので、そのテキストにプラスアルファとして『動画でOJT介護』をどのように組み合わせていくかが、一つのポイントになっています。

アリス学園
実際に運用してみると、副教材として単に学生に渡すだけでは、なかなか学習時間を確保できない学生もいることが分かってきました。そのため、授業の中でどのように取り入れるか、あるいは授業と連動させてどう活用していくかという点は、現在学校として工夫しているところです。

NAI
ありがとうございます。

NAI
ありがとうございます。
あまりに良すぎる武器なので、本音は”秘密”にしたい

アリス学園
実は今日このような形でインタビューを受けている立場ではありますが、私たちの研修センターとしては、この『動画でOJT介護』は非常に有効な“武器”になる教材だと感じています。ですので、正直なところ、あまり他のスクールの方々に『とても良いですよ』と積極的に勧めてしまうのは、少し複雑な気持ちもあるくらいです(笑)。

アリス学園
一点だけ確認させてください。私たちの研修センターの中で、この教材を積極的に活用していくという形については、特に問題はありませんよね。

NAI
はい。ご利用方法について特別な制限は設けておりませんので、各スクール様の運用に合わせて自由にご活用いただければと思っています。

アリス学園
そうなんですね。逆にこちらからも一つお聞きしたいのですが、この『動画でOJT介護』をメイン教材として、初任者研修そのものを提供しているスクールさんというのは実際にあるのでしょうか。

NAI
率直に申し上げますと、『動画でOJT介護』は全体で約40時間ほどの動画コンテンツになります。一方、初任者研修は制度上130時間のカリキュラムが必要になりますので、この動画だけで研修全体を構成しているケースはありません。

NAI
ただ、実際には授業の導入部分で動画を活用したり、講義の理解を深めるための教材として動画を見せたうえで、その内容をもとに授業を展開しているスクールさんは複数いらっしゃいます。そうした形で、授業と組み合わせながら活用されているケースが多い印象です。

NAI
また、初任者研修の受講生にアカウントを付与し、予習や復習の教材として活用することを推奨しているスクールさんもいらっしゃいます。授業の理解を深める補助教材として活用されているケースも多いですね。

アリス学園
それは通学形式の場合ですよね。通信形式の初任者研修では、どのような形で活用されているのでしょうか。

NAI
現時点では、『動画でOJT介護』を通信課程の主要教材として活用している事例はまだ多くありません。ただ、通信形式の研修においても、予習や復習の補助教材として活用できる可能性はあると考えており、今後の活用方法として関心を持たれているスクール様も出てきています。
やっぱり次年度も利用したい、更新したい

NAI
これまで約2年間ご利用いただいていますが、3年目以降の活用については、どのようにお考えでしょうか。

アリス学園
そうですね。まず、日本語学校から進学してくる学生に対する予備教育としての活用については、今年度は一定の成果があったと感じていますので、来年度以降も継続していきたいと考えています。

アリス学園
また、介護福祉学科の本科生に対しては、教員側にもさらに活用方法を工夫してもらえるよう働きかけていきたいと思っています。授業の中でどのように取り入れるかという点は、まだ伸びしろがある部分だと感じていますので、今後より効果的な活用方法を検討していきたいですね。

アリス学園
さらに今後は、研修センターでの活用、特に初任者研修の中でどのように活かしていけるかという点についても、少しずつ広げていきたいと考えています。
なぜ、こんなによくできた教材が、まだあまり知られていないのか

NAI
最後に、自由なご感想でも構いませんので、『動画でOJT介護』について一言いただけますでしょうか。

アリス学園
難しいですね(笑)。率直な感想としては、最初にこの教材を見つけたときに、『どうしてこれほどよくできた教材が、まだそこまで世の中で知られていないのだろう』と思ったのが正直なところでした。むしろ、これは早く導入したほうが教育面でもビジネス面でも価値があるのではないかと思い、私たちは比較的早い段階で導入させていただきました。

アリス学園
本科生については、先ほどお話ししたように補助教材としての活用が中心になりますが、特に研修センターでの研修や、当校が力を入れている技能実習生や特定技能の方など、外国人材の教育においては、国家試験へ向かう前段階の“入り口”として非常に優れた教材だと感じています。
実務者研修に対応すればいいのに...

アリス学園
ですから、本音を言えば『これはあまり他のスクールさんに知られたくないな』という気持ちもありますね(笑)。できれば自分たちのところだけでうまく活用していきたい、というくらいの気持ちも正直あります。ただ、それだけ良い教材だということでもあります。

アリス学園
以前から感じていることでもあるのですが、外国人材にとっての最終的なゴールは、やはり介護福祉士国家試験に合格し、在留資格『介護』を取得することだと思います。そう考えると、初任者研修レベルはあくまで入り口であって、彼らが本当に求めているのは実務者研修レベルの学習内容なのではないかとも感じています。

アリス学園
その意味で、なぜ実務者研修を対象とした動画教材にしないのかという点は、導入当初から気になっていた部分でもあります。もしそのレベルの教材になれば、しかも外国語対応があるという点を考えると、外国人にとってさらに魅力的な学習素材になるのではないかと思うのですが、その点はいかがでしょうか。

NAI
大変貴重なご意見だと思います。実は、実務者研修レベルの動画教材を制作すること自体は、技術的にはそれほど不可能なことではありません。もちろん相当な労力はかかりますが、制作そのものはできると思っています。

NAI
ただ一方で、それを『実務者研修の正式な教材』として世に出すとなると、一定のハードルがあるのも事実です。例えば、研修機関や関係団体、あるいは行政などの理解や位置づけがないまま公開してしまうと、せっかく作っても制度的に活用されない可能性もあります。その点は慎重に考えているところです。

NAI
ただ、内容面については自信を持っています。実はこの『動画でOJT介護』は、私自身が制作の監修に深く関わり、完成まで責任を持って関わってきました。介護福祉士国家試験の過去問題も自分で検証してみましたが、内容を照らし合わせていくと、国家試験で求められる基礎知識のかなりの部分(体感としては約8割程度)は、この教材の中でカバーできているのではないかと感じています。

NAI
特に実技編などを含めて見ていただくと、ケーススタディに近い形で理解できる内容も多く、外国人にとって国家試験の基礎を固めるという意味では、非常に有効な教材になっているのではないかと考えています。
介護福祉士の基礎勉強、特に外国人介護職員には、絶対に役立てるのに...

NAI
もちろん、国家試験対策としては最終的に過去問題を繰り返し解くことが不可欠です。試験には独特の出題傾向もありますから、そこはどうしても別の学習が必要になります。ただ、言語の壁もある外国人にとって、日本の介護知識の基礎を理解すること自体が大きなハードルです。その最初の土台を築く教材としては、十分に役割を果たせる内容になっているのではないかと思っています。

アリス学園
実は、私たちの中でも、『動画でOJT介護』のような教材を、初任者研修やそれ以降の専門的な学習のテキストの完全な代替として使えるのかどうか、という点については、まだ結論が出ていない部分があります。現在はあくまで既存のテキストを前提に、その理解を深めるための補助教材として活用しているのが実情です。

アリス学園
ただ一方で、全国の外国人材を対象に教育を広げていくことを考えると、従来のように分厚いテキストを郵送したり購入してもらったりする形だけが最適なのか、という疑問も感じています。例えばオンラインでアカウントを付与することで学習が進められ、必要な部分だけスクーリングで補うような形ができれば、より効率的な教育の形になる可能性もあるのではないかと思っています。

アリス学園
現状ではテキストが中心で、動画教材はその補助という位置づけですが、考え方によっては教材が増えることでコストが重なっている部分もあります。そうした点も含めて、今後どのような形が最も効果的なのか、まだ模索している段階ですね。

NAI
なるほど。もしそういった形が実現できれば、教育の可能性も広がりそうですね。

アリス学園
そうですね。本当にそう思います。

NAI
ただ、制度的な部分や環境整備も必要になりそうですね。例えば、研修教材として活用する場合に、行政の許可や届出などが必要になるのかという点は気になるところです。

アリス学園
今、専門の担当者が席を外してしまっているので正確なところは確認が必要ですが、私の理解では、シラバスは示されていますが、特定のテキストを必ず使用しなければならないという形ではなかったと思います。ただし、実際に教育の成果がしっかり出るかどうかが重要なポイントになると思います。

アリス学園
ただ、仮にこの『動画でOJT介護』を活用していく場合、本当に研修で求められている成果、つまり、従来のようにテキストで学習した場合と同等、あるいはそれ以上の成果が得られるのかどうかが、一つのポイントになってくるのではないかと思います。

アリス学園
ただ私個人としては、現在よく見られる“テキストを読んで、確認のクイズに答える”といった学習方法と比べれば、この動画教材は理解の面で2倍、3倍の効果を生み出す可能性があるのではないかと感じています。そういう意味では、教育効果の面でも十分に有効な教材ではないかと考えています。

NAI
先ほども触れましたが、実はこの『動画でOJT介護』は、もともと外国人の方に初任者研修の内容をしっかり理解してもらうことを目的に制作を始めた教材でした。ただ制作を進める中で、一つひとつのテーマを丁寧に掘り下げていくうちに、結果としてかなり深い内容になっていったという経緯があります。

NAI
制作には私自身も監修として深く関わってきましたが、その後、自分で介護福祉士国家試験の過去問題を確認してみたところ、かなり多くの問題について、この教材で扱っている内容が基礎理解につながっていると感じました。実技編の中でも、接遇やコミュニケーションのようなテーマが繰り返し登場しますし、アニメ座学編のストーリーの中でも実際の現場をイメージできる内容が多く盛り込まれています。

アリス学園
そうですね。ただ、実際にこの教材だけで学習した学生が国家試験を受験したという実例は、まだ私たちのところではありませんので、その点についてはこれからの検証という部分もあると思います。

NAI
ぜひ、また何か機会がありましたら、ご協力をお願いできればと思います。

アリス学園
はい、もちろんです。

NAI
本日は貴重なお時間を頂戴し、本当にありがとうございました。

NAI
ありがとうございました。
代表より一言(編集後記)
今回、介護教育の最前線で人材育成に携わっておられる専門学校の先生から、『導入教材として非常に有効である』との評価をいただけたことは、私たちにとって大きな確信となりました。介護教育のプロフェッショナルに認めていただけたという事実は、何よりも重みのある評価だと感じています。この価値をさらに磨き上げ、より多くの現場に届けていきたいと考えています。

