「自立支援介助」ー “してあげる” から “できるを支える”へ
1.制作に際して
介護の現場において、もっとも誤解されやすい言葉の一つが
「自立支援」です。
支援とは何か。
介助とは何か。
どこまで手を出すべきか。
どこで見守るべきか。
この境界は非常に繊細で、経験だけに頼ると、どうしても「やってあげる介護」に寄ってしまいます。
「動画でOJT介護 実技編」第2本目となる
『自立支援介助』は、その境界を理解するための動画として制作しました。
自立支援介護の意義。
必須業務。
そして、その根底にある“心”。
身体介護に携わるすべての職員が、常に意識し続けるべき内容をまとめています。
2. 自立は「体調」から始まる ー 基本ADLという土台
自立支援は、介助技術だけで実現するものではありません。
まず必要なのは、体調を整え、活動性を高めることです。
その基盤として、本動画では4つの基本ADLに焦点を当てました。
- 水分
- 栄養
- 排便
- 運動
いずれも日常の当たり前の行為ですが、ここが崩れると自立は成り立ちません。
水分摂取は目安として1日1500mL。
水分は身体機能に大きな影響を与え、日常の様々な問題の予防につながります。
栄養は約1500kcal。
食は活力の源であり、偏りのない食事が活動性を支えます。
排便は3日以内の自然排便。
排便は身体機能だけでなく、尊厳にも直結する重要な領域です。
そして運動。
歩行は目安として1日2km。
距離そのものよりも、歩こうとする意思を引き出すことを重視しています。
ただし、これらはあくまで目安です。
強制するものではなく、利用者様一人ひとりの体調に応じて支援する。
その前提を動画の中でも明確にしています。
3. ADL介助は「見守り」が主役になる
自立支援につながる介助の最大のポイントは、
すべてを介助しないことです。
脱衣・着衣では、健側からご本人に行っていただく。
「できるところはご自分でお願いします」
この一言が、自立支援の出発点になります。
麻痺側も含め、可能な限り見守りに徹する。
介助は“代行”ではなく、“機会の確保”である。
この考え方を映像として示しました。
入浴も同様です。
身体を洗う、浴槽をまたぐ。
できる部分はご本人に行っていただく。
ただし入浴はリスクが高い場面でもあります。
だからこそ、自立支援と安全の両立が必要になります。
見守りの質が問われる場面です。
歩行では、科学的な視点を入れています。
たとえば片麻痺のある方。
単に歩行を促すのではなく、状態を分析し、段階的に支援する。
この地道な積み重ねが、
自立への意欲を生みます。
4. 自立が進むほど、リスクも生まれる
自立支援は前向きな取り組みですが、同時にリスクも伴います。
できる範囲が広がる。
昨日できなかったことが、今日はできるようになる。
その変化を把握しないまま見守ると、事故につながる可能性があります。
また、自立を促すことが負担になる場合もあります。
できない自分を責めてしまう。
無理な動作で身体を痛める。
焦りや過度な鼓舞がストレスになる。
この点は非常に重要なため、本動画ではリスクマネジメントを独立した章として扱いました。
自立支援は「頑張らせる介護」ではありません。
利用者様の立場に立ち、観察し、調整する介護です。
そして観察した情報は整理し、共有する。
チームケアの基盤もここにあります。
5. 自立支援とは「能力を奪わない介護」
自立支援の本質はシンプルです。
できる能力を引き出すこと。
声かけなしに介助してしまうと、本来できる力を奪ってしまう可能性があります。
だからまず確認する。
どこまでできるかを見る。
安易に手を出さない。
見守りながら、必要なときだけ支える。
軽く手を添える。
次の行動につながるきっかけをつくる。
この“介助の質”こそが、自立支援介護の核心です。
6. QOLという視点がなければ成立しない
自立支援介護は、技術だけでは成立しません。
前提となるのは、QOL(生活の質)を高めたいという意識です。
体調を整える。
活動性を上げる。
体力を回復する。
意欲や活力を取り戻す。
この循環を支えることが、自立を支える介護につながります。
そしてそのためには、
常に利用者様の立場に立って考えること。
観察すること。
共有すること。
これが基本精神になります。
7. 実技編の中核となる一本
『自立支援介助』は、実技編の中でも核となる動画です。
身体介護の技術は、この考え方の上に成り立ちます。
どの場面でも、
「できるを支える」
という視点が必要になります。
この一本を繰り返し見ることで、
介助の判断基準が変わる。
見守りの意味が変わる。
声かけの質が変わる。
そんな動画として制作しました。
8.制作会社の一言
この動画でOJT介護の編集、制作は、30年以上にわたり、医学を中心とした日本の自然科学研究を支えてきた、エヌ・エイ・アイ株式会社の科学論文サポートサービスの知見と、40ヵ国語以上の言語を翻訳し続けているNAIway翻訳サービスの経験に裏付けされた安心のサービスです。ぜひご信頼をお寄せください。

9. まずは30秒、ご覧ください
ここに本編の一部、約30秒のサンプルカットを掲載します。
よろしければぜひご視聴ください。
介護の教育は、言葉だけでは伝わりにくい部分があります。
だからこそ、映像には価値がある。
そして、基本が基本として伝わる映像こそ、現場の力になる。
導入をご検討いただく際の判断材料として、ぜひご活用ください。


