防府市通所サービス連絡協議会の会長と理事が語る、導入後の評価

防府市通所サービス連絡協議会様では、防府市の補助金制度をきっかけに、複数事業所で「動画でOJT介護」を共同活用する取り組みを進めてこられました。
今回のインタビューでは、導入の経緯、サービス選定の決め手、実際の使われ方、そして今後の継続について、率直にお話を伺いました。

地域の小規模事業所が多い中で、どのように研修機会を確保していくのか。
現場の負担を増やさずに、どう教育を回していくのか。
そのリアルが伝わる対談です。

インタビュー風景
左から 澤崎様 阿部様
2026年3月19日
山田社員
NAI

本日はお忙しい中ありがとうございます。まず最初に、『動画でOJT介護』を導入される前、教育や研修の面でどのような課題を感じていらっしゃったのか、お聞かせいただけますでしょうか。

澤崎様
(理事)

最初のきっかけは、やはり補助金の話でした。「こういう補助金が出ますよ」「研修などで事業所の業務負担が大きいので、少しでも負担が軽くなるように活用してほしい」という話があって、それがスタートでした。各事業所に補助金の案内が出たのですが、その中で、防府市から「団体がまとまって補助金を活用することもできますよ」という例示がありました。実際、1事業所あたりの補助金額は8,000円程度なので、単独で見ると大きな額ではないですね。

山田社員
NAI

なるほど。

澤崎様
(理事)

ただ、団体としてまとまって活用すれば、十数万円規模にはなる。それなら意味があるよね、ということで、「取り組んでみたい」という事業所が出てきて、そこから協議会として話が動き始めた、という流れです。

山田社員
NAI

最初から「こういう教育サービスを探している」という話があったというよりは、現場の負担感の方が先にあった、ということでしょうか。

澤崎様
(理事)

そうですね。「こういう制度はありませんか」という話ではなくて、とにかく研修が大変だ、困っている、という話はありました。
それを受けて、協議会として「どういう形なら導入できるか」「どういう契約ができるか」を探していました。

山田社員
NAI

その中で、いろいろ比較検討されたわけですね。

澤崎様
(理事)

はい。
ただ、地域の小規模事業所がまとまって使うという形は、一般的な一法人契約とは少し違うので、そのあたりで難しさはありました。
その中で、「動画でOJT介護」さんは柔軟に対応していただけた、というのが大きかったです。

山田社員
NAI

さまざまなサービスがあった中で、最終的に御社として重視された点はどこだったのでしょうか。
法定研修までカバーしたいとか、新人研修に特化していればよいとか、いろいろ基準はあったかと思うのですが。

澤崎様
(理事)

正直に言うと、最初は「どこもそこまで大きくは変わらないのかな」という印象もありました。
ただ、その中でも、柔軟に対応していただけたこと、それから山田(NAI)さんの対応が早かったことは、非常にありがたかったです。
それと、最近は外国人雇用も増えてきているので、そういったところにも対応できる、というのは一つの判断材料になりました。
でも、やはり一番大きかったのは金額ですね。

山田社員
NAI

やはり金額面は大きかったですか。

澤崎様
(理事)

大きかったです。
うちの会社自体は別サービスを契約しているのですが、20人ぐらいが使える形で年間12〜13万円ほどかかっています。
1法人でそれだけの費用を負担するとなると、やはり小規模事業所には重たいですね。
その点、「動画でOJT介護」さんは何法人かでまとまって使える形が取れたので、1事業所あたりの負担がかなり軽くなる。
地方で小規模事業所が多い地域にとっては、そこが非常にありがたいと感じました。

伊藤社長
NAI

こちらでもログを確認できるのですが、日本語の法定研修アカウントの利用がかなり多い印象があります。
実際には、法定研修の一環として使われているケースが多い、という理解でよろしいでしょうか。

森様
(会長)

そうですね。
各事業所で必ずやっていかなければならないのが法定研修ですし、その法定研修の資料を毎回事業所で作るのが大変、という声も多かったです。なので、そこに充てている事業所が多いと思います。

伊藤社長
NAI

なるほど。
実際の使い方としては、みんなで集まって見るケースが多いのでしょうか。それとも個別視聴が多いのでしょうか。

森様
(会長)

基本的には、部署ごとに月1回程度のミーティングがあるので、そこで活用しているケースが多いと思います。
一方で、新人研修の一環として、個別に見てもらう形を取っている事業所もあると思います。

山田社員
NAI

協議会として、「4月はこれを見てください」「5月はこれを見てください」といった細かな進捗管理まではされていなかったのでしょうか。

澤崎様
(理事)

そこまではしていません。
最終的に実績として報告できればよい、という考え方でした。
ただ、スタート段階では各事業所に計画を出してもらって、「何月に何をやります」という形で申請はしています。
その上で、実施後の内容を協議会で取りまとめて、市に提出する、という流れですね。

山田社員
NAI

なるほど。各事業所にある程度委ねながら、協議会としては全体を取りまとめる役割を果たしていたわけですね。

澤崎様
(理事)

そうですね。

伊藤社長
NAI

ログを見ると、かなり活用されている事業所と、ほとんど使われていない事業所に分かれている印象があります。
この差は、どのあたりにあると感じられますか。

澤崎様
(理事)

一つ大きかったのは、担当者の異動や退職ですね。
運用を担っていた方が辞めて、そのまま引き継ぎが十分にされず、IDやパスワードも分からなくなってしまった事業所がありました。
介護業界はどうしても離職もありますので、管理者や責任者が変わる中で、共有が十分にできていなかったところはあったと思います。

伊藤社長
NAI

なるほど。
やはりサービスそのものというより、運用の継続性が大きかったわけですね。

澤崎様
(理事)

そうですね。職員への案内も含めて、担当者がしっかり回せていたかどうか、という差はあったと思います。

伊藤社長
NAI

コンテンツそのものについてもお伺いしたいのですが、アニメ座学編、実技編、ルビ付き字幕、アンチョコテキストなど、いろいろ工夫を入れている中で、実際にどんな点がよいと感じられましたか。

森様
(会長)

ベテラン職員になると、どうしても「もうわかっている内容」もあるので、そこは物足りなさを感じる部分も多少あるかもしれません。
ただ、新人職員や中堅職員、それから看護師さんが見る場合も含めて、非常にわかりやすく作られているな、という印象はあります。

伊藤社長
NAI

ありがとうございます。

伊藤社長
NAI

導入前後で、何か大きく変わったことはありましたか。

森様
(会長)

職員が動画を見てすぐ変わった、というよりも、まず大きかったのは、研修担当者の負担ですね。
これまでは、レジュメを作らないといけない、資料を用意しないといけない、という負担がかなりありました。
そこが、この仕組みを使うことで、ものすごく軽減されました。

伊藤社長
NAI

なるほど。

森様
(会長)

職員の変化そのものについては、まだ導入からそこまで長く経っていないので、これから出てくる部分も大きいと思います。
ただ、法定研修のようなものは一回で身につくというより、繰り返し受けて、だんだん馴染んでいくものだと思うので、動画で継続的に見ていくことには意味があると感じています。

山田社員
NAI

今後の継続についてはいかがでしょうか。各事業所さんから何か声は上がっていますか。

澤崎様
(理事)

今回は補助金があったから取り組めたのですが、市とは話をした結果、補助金は今年度いっぱいで終了ということになりました。
そこで、来年度は各事業所に年間6,000円程度を負担してもらって、継続できないかという形でアンケートを取りました。
契約中の事業所に出したところ、返答があったのは8事業所で、そのうち6事業所は「その金額なら来年度もぜひ続けたい」という回答でした。
一方で、「取り組めていないので今回はやめます」というところもありました。

山田社員
NAI

継続意向がしっかり出ているところもあったのですね。

澤崎様
(理事)

そうですね。
中には「内容が少し変わるとさらにいい」という声もありましたが、こちらとしては、法定研修というのは毎年繰り返していくこと自体に意味があるので、同じ内容でも継続して見ていくことが大事ではないか、という説明はしています。

山田社員
NAI

私どもとしても、使い方がまだイメージしづらい事業所様もあるのではないかと感じています。
もし「どうカリキュラムに組み込めばよいのか」「どう活用すればよいのか」で悩まれている事業所様があれば、Zoomなどで個別にご相談を受けることもできますので、ぜひお声がけいただければと思っています。

澤崎様
(理事)

ありがとうございます。
今回、すでに数事業所がやっているので、その意見を聞きながら、新しい事業所にも説明できるかなと思っています。
今までは0から1に変わった段階でしたが、1から2に広げていく段階になれば、もう少し広まりやすいかなと思っています。
ちょうど3月24日に総会もあるので、そこで再度案内して、少しずつ増やしていければいいなと思っています。

山田社員
NAI

率直なご意見として、「改善してほしい点」を挙げるとしたら何かございますか。

澤崎様
(理事)

改善点というより、まず感じているのは、こういう協議会や団体としてまとめて契約できること自体が、本当に大きな価値だということです。
地域の小規模事業所では、個別に高額な契約をするのは難しい。
その中で、まとまって使える仕組みを受けていただけたのは非常にありがたかったです。

伊藤社長
NAI

今回のような「通所サービス連絡協議会」のような枠組みは、他地域にもあるものなんでしょうか。

澤崎様
(理事)

デイサービス協議会のような組織は結構あります。
うちの協議会は、防府市独自で立ち上げている団体で、法人格があるわけではないですが、「防府市の福祉を少しでも良くしていこう」という思いで集まっている団体です。
こういう形は市によって違うと思いますが、行政主導や地域主導で、似たような取り組みをしているところはあると思います。

森様
(会長)

全国組織や県単位の団体があって、その下に市単位の支部のような形で入っているところも多いですね。

伊藤社長
NAI

なるほど。
そうすると、しっかり取りまとめる事務局機能があるかどうかが、こうした運用には大きいですね。

森様
(会長)

そうだと思います。

澤崎様
(理事)

一点お聞きしたいのですが、こういう団体としての契約は、今後も継続して対応していただけますか。

山田社員
NAI

もちろんです。

澤崎様
(理事)

今後、やはり法人ごとじゃないと難しい、という形にはならないのですね。

伊藤社長
NAI

そこは特にそうは考えていません。
私どもの最終的なテーマは、これからますます増えていく外国人介護人材の教育です。
今後の介護現場は人手不足がさらに進みますし、そこで教育に困る施設は確実に増えていきます。
その中で、基礎をしっかり固めるための教材として、こういう形で広がっていくことは非常に大事だと考えています。
ですので、団体契約が普及のきっかけになるのであれば、喜んで対応していきたいと思っています。

山田社員
NAI

本日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございました。

伊藤社長
NAI

介護の現場は本当にお忙しいと思いますが、貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。

澤崎様
(理事)

ありがとうございました。

伊藤社長
NAI

今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

森様
(会長)

よろしくお願いいたします。

防府市通所サービス連絡協議会様の取り組みは、「補助金をきっかけに地域全体で教育を効率化する」という好事例でした。

今回のポイントは大きく3つです。

まず一つ目は、小規模事業所単独では難しい研修負担を、団体で解決した点です。1事業所あたりでは小さな補助金でも、複数事業所でまとめることで実効性のある取り組みに変換されました。

二つ目は、サービス選定における現実的な判断軸です。機能差よりも「柔軟な対応」「スピード」「コスト」が重視され、特に団体契約による費用分散が大きな決め手となりました。これは地方の小規模事業所にとって非常に重要な観点です。

三つ目は、運用次第で活用度に差が出るという現場のリアルです。活用が進んだ事業所とそうでない事業所の違いは、サービスの質ではなく「担当者の継続的な運用体制」にありました。特に介護業界特有の人材流動の中で、「引き継ぎ設計」が重要な課題として浮き彫りになっています。

また、導入効果として最も大きかったのは、研修担当者の業務負担の軽減でした。資料作成の手間が減り、「研修を回せる状態」が実現されたことは、現場にとって非常に大きな価値です。

さらに、補助金終了後も約75%の事業所が継続意向を示しており、一定の価値が現場に根付いたことも確認できました。現在は「0→1」の導入フェーズから、「1→2」の横展開フェーズへ。今後は、既存利用事業所の成功事例をもとに、地域内での普及が期待されます。

代表より一言(編集後記)

今回のインタビューを通じて、改めて強く感じたのは、「サービスの良し悪し以上に、どう使われるかがすべてを決める」という現実です。正直に言えば、コンテンツの質だけであれば、世の中には多くの選択肢があります。しかし今回、最終的に選んでいただけた理由は、機能ではなく、

  • 団体で使える柔軟性
  • 現場に寄り添う対応スピード
  • 小規模事業所でも続けられる価格設計

といった、「運用できるかどうか」に直結する部分でした。

そしてもう一つ、非常に示唆的だったのは、活用が進むかどうかは“担当者の存在”に大きく依存するという点です。どれだけ良い仕組みでも、

・誰が回すのか
・どう引き継ぐのか

ここが設計されていなければ、簡単に止まってしまう。これは介護業界に限らず、あらゆる現場教育に共通する本質だと感じています。一方で、今回の取り組みは大きな可能性も示してくれました。それは、「地域単位で教育を支える」という発想です。

これからの介護現場は、
人材不足 × 外国人材の増加 × 教育負担の増大
という構造的な課題に直面していきます。

その中で、1法人ごとに教育を抱えるのではなく、地域で支え合うモデルは、確実に一つの解になると考えています。今回の防府市の事例は、まさにその第一歩でした。

私たちとしては、この「0→1」を「1→10」に広げていくこと、そして他地域への展開につなげていくことが、これからの使命だと感じています。

現場の皆さまと一緒に、無理なく続く教育の形を、これからも模索していきます。

インタビューご協力者(防府市通所サービス連絡協議会)

会長 森様

理事 澤崎様

インタビュアー(NAI)

代表取締役 伊藤秀司
社員 山田(仮称)